8mm FILM
8mmフィルムには大きく分けて下記の2種類あります。
-
「シングル8」または「スーパー8」とも呼ばれている幅8ミリのフィルムです。
-
レギュラー8と比べるとパーフォレーションが小さく、その分画像面積が約1.5倍に拡大している為、画質改善がなされています。
-
音声録音されたシングル8にはフィルムの両端にマグネティック(磁性体)が塗布された物や光学録音のものがあります。
Single 8
-
「レギュラー8」「スタンダード8」「ダブル8」とも呼ばれる幅8ミリのアマチュア用映画フィルムです。
-
このフィルムは16ミリフィルムを往復撮影し、現像後に半分に切断して幅8ミリにしている為、パーフォレーションが16ミリフィルムと同じ位置にあります。
-
レギュラー8の場合は、現像後に加える磁気録音のトラックがほとんどです。
Regular 8
9.5mm FILM
-
1922年、フランスの映画会社パテ社が開発した幅9.5mmのフィルムです。
-
パーフォレーションがフィルムの真ん中にあることが特徴的な珍しいフィルムです。
9.5mm
16mm FILM
-
16mmポジフィルムは幅16mmで、片側にパーフォレーション、反対側にオプチカルサウンドトラック(光学記録方式)があります。
16mm ポジフィルム
16mm ネガフィルム
-
16mmネガフィルムは幅16mmで、片側にパーフォレーションがあります。音声はありませんので音ネガ必要になります。
-
16mm音ネガフィルムは幅16mmで、片側にパーフォレーションがあり、反対側にオプチカルサウンドトラックのみがあります。
16mm 音ネガフィルム
35mm FILM
-
35mmポジフィルムは幅35mmで、両側にパーフォレーションがあります。標準的な映画用のシングル・フレームフォーマットでは、1フレームの両側に4つずつパーフォレーションが開いており、1フィートにつき16フレームとなる。標準的な写真用35 mmフィルムは両側に8つずつパーフォレーションが開いています。
35mm ポジフィルム
-
35mmネガフィルムは幅35mmで、両側にパーフォレーションがあります。標準的な映画用のシングル・フレームフォーマットでは、1フレームの両側に4つずつパーフォレーションが開いており、1フィートにつき16フレームとなる。ネガフィルムの場合は音声は別フィルムになります。
35mm ネガフィルム
35mm 音ネガフィルム
35mm スーパーネガフィルム
-
35mm音ネガフィルムは幅35mmで、両側にパーフォレーションがあります。片側にオプチカルサウンドトラックがあります。
-
映画などのスーパーは35mmネガフィルムに文字だけで収録されており、画、音、スーパーの3つのフィルムを合わせて完パケを作ります。
フィルムの種類と歴史について
フィルム考察
映像フィルムには多くの種類があり、それぞれに特質が異なりますが、どのフィルムにも共通するのはベースとエマルジョンという2つの主要な部分から成り立っていると言うことです。
エマルジョン(乳剤)と ベース(支持体)について
エマルジョンとはゼラチンの薄い層をさし、画像はこの部分に潜んでいます。エマルジョン面はベース面と比べて艶がなく、マットな仕上げになっているので区別がつきます。一方、ベース面はすべすべしていて艶があります。カラーフィルムの場合は両面に艶がありますが、フィルムに光を当てれば区別できます。
フィルムベースについて
フィルムは製造年代によってベース(支持体)の素材が変化しています。1940年代までのほとんどが自然発火する危険性の高いナイトレートを使用しており、その後改良され不燃化されたアセテート、そしてさらに丈夫で保存性の高いポリエスターがあります。
米国内で製造されたすべての8mm/16mm(及び米国内で1952年以降に生産されたすべての35mmフィルム)は不燃性です。
ナイトレート・フィルム
1950年ごろまで使用されていたフィルムで、ナイトレートセルロース(硝酸)が使われていたため,可燃性が高く約40℃の環境で自然発火したという報告もある。各所で火災の原因となったため,その危険性から1950年代には生産停止に向かった。8mmや16mmフィルムにはナイトレートを使用したものは存在しません。また、ナイトレートフィルムにカラーフィルムは存在しません。
アセテート・フィルム
酢酸セルロースが使われているアセテートフィルムは1950年ごろから普及し始めました。可燃性の高いナイトレートに代わる安全なフィルムとして普及しましたが,アセテートフィルムの大きな欠点は、高温多湿の環境では酢酸臭を放ちながら劣化するビネガー・シンドロームを引きおこすことです。
ポリエスター・フィルム
1960年代から現在最も進んだフィルムであるポリエスターフィルムが普及し始めました。ポリエステルをベースとしているため、簡単にやぶれることがなく,化学的にも安定しています。ポリエスターフィルムは光の透過性が高く,光にかざしたときに光がよりすり抜けます。一方,透明度が低い場合にはアセテートフィルムの可能性が高いと言えます。
サウンド・トラック
古いフィルムや自主製作フィルムには、光学録音(オプチカル)と磁気録音(マグネ)という2種類の録音方法があります。光学録音は細い光線をフィルムにあて、異なる濃度の光のセンサーを電気信号に変換し、その信号を音声に変換するという仕組みになっています。
磁気録音はフィルムのエッジに沿った酸化帯に記録され、映写機の再生ヘッドで読み取るものです。
フィルムの保存方法ついて
フィルムの適切な保存環境は,カラーの場合,0℃以下,30~50%の湿度と言われています。特に,1950年代以降に普及したアセテートフィルムは,温湿度変化によってビネガーシンドロームを発症するため,低温低湿で空気循環機能のある安定した保管環境で管理する必要があります。
ビネガーシンドロームとは,ベース材のセルローストリアセテートが湿度や熱によって化学変化を起こし,酢酸化してしまう現象のことです。ビネガーシンドロームにかかったフィルムは徐々にゆがみ始め、カールしたり固くなったりし,ひどい場合には粉を吹きだして朽ちてしまう。一旦ビネガーシンドロームを発症すると、症状を完全に停止することはできません。その上、そのフィルムから放たれる酢酸ガスにより,別のフィルムにもビネガーシンドロームを移してしまいます。症状を遅らせる方法として、中性紙箱や穴の開いたフィルム缶など通気性の高いケースに換え,酢酸臭がなくなるまでガスを放出させることが大切です。その後は0℃近くの温度と適切な湿度管理で保管することが、フィルムを長持ちさせる秘訣です。
フィルムの劣化診断